【論文掲載】順位だけでは分からない競技力―ウエイトリフティング選手の新たな評価指標と心理特性
本学大学院博士後期課程の持田慶貴さん、田島勇人さん、本学科の髙橋正則教授らの論文がスポーツパフォーマンス研究に掲載されました。
題目:大学ウエイトリフティング選手における競技レベルの捉え方:心理的競技能力との関係に着目して
著者:持田 慶貴・田島 勇人・髙橋 正則
掲載誌:スポーツパフォーマンス研究 18巻 88–97ページ
DOI:10.34518/rjsp.18.0_88
リンク:https://doi.org/10.34518/rjsp.18.0_88
<研究概要>
ウエイトリフティング競技は階級制のため,階級を越えて選手の競技レベルを比較することは難しいです。そこで,階級を越えて競技レベルを評価する指標として,シンクレアトータル(Sinclair Total:以下,シンクレア)が用いられています。一方で,競技レベルの分類には順位が多く用いられていますが,競技人口が少ないため,競技力が高くなくても上位になる場合があります。そのため,順位だけで競技レベルを評価することには課題があります。しかし,順位とシンクレアのどちらが適切かはこれまで検討されていません。さらに,本競技は身体的要因が重視されてきた一方で,心理的要因については十分に検討されていません。そこで本研究では,大学ウエイトリフティング選手を対象に,競技レベルの比較に,順位とシンクレアのどちらを用いることが適切か比較するとともに,競技特有の心理的競技能力を検討しました。
その結果,特に女性では順位による評価に課題があることが示されました.また,順位およびシンクレアを用いた分析結果を比較すると,シンクレアは順位よりも競技レベル差を減じて抽出していることから,競技レベルをより適切に評価している可能性が示されました。さらに,競技レベルが高い選手ほど忍耐力,闘争心,自信が高く,決断力と予測力は男性の方が女性より高いことが分かりました。これらの結果から,これらの心理特性はウエイトリフティング選手に特徴的な心理的競技能力である可能性が示されました。